28連勝を決めた藤井澤田戦は最善を尽くせば序盤早々千日手だったのか?

将棋ファンの皆様初めまして。今ブログではプロ将棋をソフトを用いて解析することにより読者諸氏の鑑賞の一助ひいては棋力向上に資すればと思っております。読者の対象としてはアマ初段~県代表クラス辺りを主なターゲットに考えていますが、奨励会員の方やプロの先生方にもお読み頂けるような水準も後々は実現していきたいと思います。ちなみに中の人は大学将棋で全国経験がある程度で24だと五段~六段ぐらいでした。ソフト指しが嫌で止めてしまいしばらく将棋への興味を失っていた時期があったんですが、フリーの将棋ソフトが非常に強いという話を聞きいざ自分でも試してみると当然全く勝てず特に角換わり系での早い桂跳ねを軸にした駒組には衝撃を受けました。

そろそろ本題に移りますが、今回は先日行われた藤井澤田戦をやねうらelmoで調べてみたいと思います。
藤井さんは前局の瀬川藤井戦の反対側を持っての採用。48金型が昨今の流行ですが62金型を破るのも容易ではないとみて稲葉さん丸山さん等のトップ棋士も58金型を度々指しています。前局の藤井さんはここで62金でしたが澤田さんは81飛車と修正。こう備えられると25歩33銀45桂の急戦はやや無理気味。以下駒組が続きます。双方研究範囲と思われます。ちなみに先日放送されたクローズアップ現代で藤井さんは1年半ぐらい前からソフト研究を導入しているという話を聞きました。
38手目65歩に同歩と応じた局面です。ちなみにやねうらelmoさんは37手目45歩では48金を推奨していて余程58金型がお気に召さないようです(笑)
この局面で澤田さんは75歩と指し以下46角95歩という進行になったのですが、恐らく後手は最善手を逃しています。次の図面で回答を貼るので腕自慢の方は考えてみて下さい。


ここでは恐らくシンプルに同銀がより有力でした。以下同銀同桂66銀に86歩同歩88歩同玉と小技を利かし、そこで強烈な一着があります。
歩頭の銀!以下ソフトの解析では67銀66銀同銀75銀と千日手になります。ちなみにこの局面同銀は55角で後手に800点以上振れます。また戻って先手が打開するなら88歩に同金ですがこれはソフトは候補手に挙げてこないのですが読ませると意外に難しいようで以下参考手順としては86飛87銀81飛86歩73角27飛38銀17飛15歩といった感じで後手に100ぐらい振れてるぐらいなので藤井さんは88同金を研究してその後に奥の手を用意していたのかもしれません。表面的なソフト研究はもはや殆どの有力棋士が行っているので、そこは更に突っ込んだソフトの盲点を突いた手をインプットしている棋士が優位になるので現代棋界は情報戦の様相を呈していると思われます。

今回は初投稿となりましたが局面図のupが意外に面倒で手間かかりました汗
おススメのツールあったら是非教えて下さい。次回はA級順位戦を取り上げてみます。



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